このページでは、美容系サロンを運営する
5つのポイントについてお伝えしています。
まず初めにお伝えしておきたいのが、私は、美容系サロンビジネスが、
「1on1サービス業の中でも最高レベル」だと思っていることです。
「サービス業の最高レベル」と考えた理由はいくつかあります。
・お客さまを、対応するサービス時間の長さ
・お客さまの、大事な体の一部を施術するサービス
・お客さまの、感情や気分に影響力を与える
・お客さまの、モチベーションUpに影響力を与える
・お客さまの、お話しを自然に聞くことができる
どの内容を見ても、「最高レベル」のサービス業に値する内容です。
1回の来店で、1対1で約2時間前後、お客さまにサービスを提供する仕事は、ほとんどないと思います。施術内容によっては、おひとり3時間以上、お客さまを対応するケースもあると思います。そして、髪の毛やお顔、手足の爪などお客さまの大事な体の一部を、お客さまの要望や好みに合わせて施術サービスを行うことは、とてもやりがいがあり、使命感がある仕事と感じます。またお客さまが、「また今日から頑張ろう!」と施術が終わり、鏡を見て、感情や気分のリセットをかけようとする影響力を与える仕事でもあると感じます。また、美容系サロンの仕事に就かれている方の一番の資産は、お客さまから色々なお話を聞くことができるということです。最近では男性が美容サロン(ヘアー・エステ)を利用するケースが増えていると聞きます。女性・男性のお客さまが、いま求めているもの、感じていることを、タイムリーに聞くことができることを私はとてもうらやましく思います。
このように「サービス業の最高レベル」の仕事に就かれているからこそ、「常に変化や行動」することが必要だと感じます。
美容系サロンは、他の業種と比べてライバルや競争相手も非常に多いです。その中で、「選んでもらう店舗」「選んでもらえるスタッフ」になり続けることが、とても大変なことであると感じます。
それでは、「美容系サロンを運営する5つのポイント」についてお伝えしています。
1.お客さまの満足度を上げて、リピート率を上げる(カスタマーデライト)
2.スタッフの力を上げて、口コミ・評判店舗にする
3.顧客カルテを活用した、運営レベルが高いサロンをつくる
4.スタッフと価値を共有する店舗をつくる
5.集客・接客・販促の3つプロモーションで、運営力を高める
美容系サロンの運営は、「サービス業の最高レベル」が求められると、初めにお伝えしました。利用されるお客さまの多くは、10代~60代の女性で、最近10代~40代の男性客の利用も増えています。それぞれの地域や店舗によって、個別に利用されるお客さまの年代は異なっていると思います。美容系サロンは、ライバル相手が多い中、お客さまに選ばれる、そして、ライバルよりも優れている顧客エンゲージメントが高い店舗創りを意識する必要があると感じます。
1.お客さまの満足度を上げて、リピート率を上げる
1つ目のポイント。
「お客さまの満足度を上げて、リピート率を上げる」
お客さまは、どのような考えで、日常生活で利用する店舗を選んでいるのかを、一度考えてみてください。ほとんどが無意識に、食材の買い物は〇〇、コンビニは〇〇、洋服を買うのは〇〇か〇〇。このようにして、購入する店舗や利用する店舗を選んでいると思います。これが美容系サロンに当てはめてみると、お客さまが、どのようにして利用する店舗を選んでいるのかを確認するとよいと思います。
お客さまは、他にも利用する店舗を、価格や料金、商品の品ぞろえやサービスメニュー、スタッフの接客・応対、お店の雰囲気など色々な基準でお店選びをしています。
美容系サロンは、料金・メニュー・一般的な応対だけでなく、スタッフの印象・評価が、お客さまのお店選びにとても関わりがあると感じます。その他にも、店内の雰囲気、居心地、衛生面、安全面、また荷物の預かりサービス、目が疲れない照明などなど、いくつも選ぶ要素があると感じます。これらのことが、次に利用するかどうかの基準になっているとしたら、お客さまの満足度を上げることに時間とコストをかけていくことが必要になる訳です。
2.スタッフの力を上げて、口コミ・評判店舗にする
2つ目のポイント。
「スタッフ力を上げて、口コミ・評判店舗にする」
お客さまがお店を選ぶ理由の中で、多くの割合を占めていると思っているのが、スタッフ力です。お客さま一人ひとりが満足できるかどうかは、笑顔や癒し・丁寧さ・感じの良さ・話しやすさ、もしかすると会話の話題、そして技術の上手さにかかっていると思います。
先にも触れましたが、コンビニで数十秒のレジ対応や袋詰めのスタッフ対応と違い、2時間、3時間にも及ぶ時間をお客さまと共有する訳ですから、スタッフのすべての応対に対する評価が無意識につけられるように思います。これが、美容系サロンスタッフのプロフェッショナルな部分にも繋がると思います。特に気にかける点は、お客さまから悪い評価をいただくことです。お客さまも人間ですから、どんな時でも感情があります。また普段の生活から無意識に時間に対する高い価値を持っている方も必ずいます。長い時間とお金をかけたのに、「今日は最悪!」なんて思われてしまうと、次の来店が遠のくと思います。
美容予約サイトの各店舗の口コミを見ると、厳しい意見やご指摘を目にする店舗が少なくありません。お客さまは、普段、日常で利用するお店の口コミよりも、美容系サロンの口コミを見て、予約しているように思います。
スタッフ力を上げること=お店の教育=共通課題を明確にすること、スタッフが話し合う場があること、お店全体として改善する雰囲気にあることが、とても大切です。
3.顧客カルテを活用した、運営レベルが高いサロンをつくる
3つ目のポイント。
「顧客カルテを活用した、運営レベルが高いサロンをつくる」
1つ目のお客様の満足度、エンゲージメントを高める重要性。2つ目のスタッフ力が運営の要である。そして、それを活かすために、実行した方がよいと思うことの一つが顧客カルテ(記録ノート)を活用することです。
お客さまが長い時間お店に滞在されると、色々な会話や意思表示があると思います。その滞在している時間の中で、良い印象でお帰りいただくのが、一番安心です。しかし、「予約開始時間を超えて席に案内された」、「予定時刻に終わらなかった」「スタッフのやり繰り・お席の確保で、お待たせする時間があった」、「満足のいく施術ではなかった」「店内の寒さ、暑さ」など、一般的にお客さまから声として上がりそうな代表例も少なくはありません。
顧客カルテは、施術内容(サービス内容・スタイル・サービス内容)はもちろんのこと、お客さまごとに会話やお声をいただいた内容を記録しておくとよいと思います。
特に、会話内容などを記録しておくと、活用方法によっては、個々のお客さまから評価が高い店舗づくりに役立つと思います。
私も継続して、顧客カルテを活用しています。お客さまの「趣味や興味があること」、「好きなアーティスト」、「最近の流行り」、「悩みや不安」など、お客さまとの距離感が近くなってくると色々お話を聞くことも可能です。また、スタッフはお客さまへの施術中に、色々なことを教えてもらいます。スタッフがお客さまに色々なジャンルのお話しをすることもあります。自らお話ししたいタイプのお客さまと、話を聞いている方が、楽しい、らく、というタイプのお客さまもいます。お客さまから高い評価をもらう店舗づくりを、とにかく個別で工夫して行うことをおすすめします。
4.スタッフと価値を共有する店舗をつくる
4つ目のポイントです。
「経営理念やビジョンをスタッフと共有する店舗をつくる」
会社には、経営理念や目指すべき将来像(ビジョン)、学校には教育理念が存在します。海外の有名企業にも、経営理念があります。私たちは、学生のころから「理念」や「ビジョン」、「目標」などの「考え方」に触れてきました。そして、学校・仕事場・家族・恋人と同じ環境で、同じ時間や空間を共にして、考え方や価値観を共有していると思います。だから理念というのは、普遍的な存在であると強く感じます。
私はこれまでに多くの会社さんの強さの中身、課題の本質を見る機会をいただきました。業績が伸びている会社・スタッフの育成が上手な会社、変化対応して、成長し続けている素晴らしい会社には、いくつかの共通点があることがわかりました。
その共通点の一つには、理念やビジョンが共有できていることです。
全てを否定するつもりはありませんが、「経営=儲けること」という考えを全面に出して活動して企業も存在します。
普段議論している内容やミーティングは、何のために、誰のために、なぜ行っているのでしょうか。
理念やビジョン、行動基準は、すねての根底にあって、会社の改善や、お客さまによって良い会社に進化していくためにあるのだと思います。
多くのサービス業がある中で、美容系サロンは、特殊構造の業界と言える面もあります。ある意味、人材はスターの集まりなのかもしれません。スタッフは入社当初、接遇力・技術力など先輩スタッフから技術や接遇力を学ぶ見習いからスタートです。しかし、入社後数年で、接遇力・技術力・人間力は、お客様を魅了するレベルになるスタッフも多くいます。美容業界ならではの集客方法の一つに、スタッフがSNSでお客さまを集客することがあります。インスタグラムやツイッター、youtubeなどに自身で投稿を上げ、興味を持ったお客さまを集客する手法です。知名度が上がったスタッフは、指名予約で施術を行うようになり、自身の報酬や価値が上がります。
力が付いてくると、離職して独立を考えるスタッフもいると思います。前向きな行動でとても良いことだと思います。しかし、自身の力に過信して、大事な考え方を忘れ、離れる方もすくなくはないと感じます。今の報酬を得ることよりも、大事なことをたくさん得ることも重要です。経営者はスタッフに理念やビジョンをくり返し、くり返し話し、浸透させていくことが必要だと思います。
5.集客・接客・販促の3つプロモーションで、運営力を高める
最後に5つめのポイントです。
「集客・接客・販促の3つプロモーションで、運営力を高める」
4つの目のポイントで、スタッフの個人集客について少し述べました。しかし多くの美容系サロンでは、店舗集客がメインではないかと思います。店舗集客の多くは、大手企業の予約サイトシステム、またその他の予約サイトシステムを使い、集客の入り口となるものがあると思います。この大手の予約サイトシステムは、月額課金でありますが、数字分析やマーケティング分析にも、とても優れている内容だと思います。しかし、その数字を常に細かく追っている業種と比べると、美容業はまだまだ自分たちで改善できる行動内容があるように思います。地域特性・競合店の営業内容・人気店・お客様の評価コメントなど、次の行動を決める大事な数字や資料がいくつも確認できます。集客している店舗の研究し、自社に活かすこともとても大切です。
そして2つ目の接客につきましては、前のポイントで重要性についてお伝えしたとおりです。3つ目は、セールスプロモーションです。店舗のコンセプトや来店いただきたいお客さま、施術スタイル、得意なサービスメニューを明確にした上で、効果的なセールプロモーションを打つことが安定した集客に繋がるのではないかと思います。
その他、顧客管理・会員管理・出店場所・契約条件・経費明細バランス・スタッフの採用などについては、数多くのアドバイスと自社で経験している内容もありますので、別の機会や個別相談でお伝えしていきたいと思います。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。